学校の部活動における活動方針について
「学校の部活動における活動方針」 徳島県立徳島北高等学校
 1 部活動の意義と基本方針策定の意義

 学校部活動は、スポーツ・文化芸術に興味・関心のある同好の生徒が自主的・自発的に参加し、各部活動の責任者(以下「部活動顧問」という。)の指導の下、学校教育の一環として行われ、教師の献身的な支えにより、スポーツ・文化芸術振興を担ってきた。
 また、体力や技能の向上を図る目的以外にも、異年齢との交流の中で、生徒同士や生徒と教師等との好ましい人間関係の構築を図り、学習意欲の向上や自己肯定感、責任感、連帯感の涵養に資するなど、学校という環境における生徒の自主的で多様な学びの場として、教育的意義を有してきた。
 しかしながら、少子化が進展する中、本校においても学校部活動を従前と同様の体制で運営することは難しくなってきており、また、専門性や意思に関わらず教師が顧問を務めるこれまでの指導体制を継続することは、学校の働き方改革が進む中、より一層厳しい状況となっている。
 生徒が生涯にわたって豊かなスポーツ・文化芸術活動を実現するための資質や能力を育む基盤として、部活動を持続可能なものとするためには、部活動が次に挙げる2から5を重視して、地域、学校、競技種目等に応じた多様な形で実施されることが必要である。生徒一人一人のニーズに応じた、生徒にとって望ましい活動環境の構築を目途として、本方針を策定するものである。


2 指導・運営に係る体制の構築
 

⑴ 校長は、教師だけでなく、部活動指導員や外部指導者など適切な指導者を確保していくことを基本とし、生徒や教師の数を踏まえ、指導内容の充実、生徒の安全の確保、教師の長時間勤務の解消等の観点から円滑に学校部活動を実施できるよう、適正な数の学校部活動を設置する。

⑵ 校長は、教師を部活動顧問に決定する際は、校務全体の効率的・効果的な実施に鑑み、教師の他の校務分掌や本人の抱える事情、部活動指導員の配置状況等を勘案した上で行うなど、適切な校務分掌となるよう留意するとともに、学校全体としての適切な指導、運営及び管理に係る体制を構築する。

⑶ 校長は、学校部活動の活動内容を把握し、生徒が安全にスポーツ・文化芸術活動を行い、教師の負担が過度とならないよう持続可能な運営体制が整えられているか等について、適宜、指導・是正を行う。

⑷ 校長は、部活動の適正な運営や効率的・効果的な活動を推進するため、自主的に運営方法について検討・点検・協議を実施できるよう、各校に校内組織「部活動適正化推進委員会」を設置し、コンプライアンス意識及び全体的な活動の質の更なる向上を図る。

3 合理的でかつ効率的・効果的な活動の推進のための取組

⑴ 校長、部活動顧問、部活動指導員及び外部指導者は、学校部活動の実施に当たっては、生徒の心身の健康管理(スポ―ツ障害・外傷の予防や文化部活動中の障害・外傷の予防、バランスのとれた学校生活への配慮等を含む)、事故防止(活動場所における施設・設備の点検や活動における安全対策等)を徹底し、体罰・ハラスメントを根絶する。運動部活動においては、徳島県教育委員会が平成26年に作成した「運動部活動指導指針」に則った指導を行う。また、文化部活動においても「運動部活動指導指針」に準じ適宜指導を行う。

⑵ 運動部活動の部活動顧問、部活動指導員及び外部指導者は、スポーツ医・科学の見地からは、トレーニング効果を得るために休養等を適切に取ることが必要であること、また、過度の練習がスポーツ障害・外傷のリスクを高め、必ずしも体力・運動能力の向上につながらないこと等を正しく理解し、分野の特性等を踏まえた効率的・効果的なトレーニングの積極的な導入等により、休養等を適切に取りつつ、短時間で効果が得られる指導を行う。

⑶ 文化部活動の部活動顧問、部活動指導員及び外部指導者は、生徒のバランスのとれた健全な成長の確保の観点から休養等を適切に取ることが必要であること、また、過度の練習が生徒の心身に負担を与え、文化部活動以外の様々な活動に参加する機会を奪うこと等を正しく理解し、分野の特性等を踏まえた効率的・効果的な練習・活動の積極的な導入等により、休養等を適切に取りつつ、短時間で効果が得られる指導を行う。

⑷ 部活動顧問、部活動指導員及び外部指導者は、生徒の運動・文化芸術等の能力向上や、生涯を通じてスポーツ・文化芸術等に親しむ基礎を培うとともに、生徒がバーンアウトすることなく、技能の向上や大会等での好成績等それぞれの目標を達成できるよう、生徒とコミュニケーションを十分に図った上で指導を行う。その際、専門的知見を有する保健体育担当の教師や養護教諭等と連携・協力し、発達の個人差や女子の成長期における体と心の状態等に関する正しい知識を得た上で指導を行う。

4 適切な休養日等の設定

⑴ 運動部活動における休養日及び活動時間については、成長期にある生徒が、運動、食事、休養及び睡眠のバランスのとれた生活を送ることができるよう、スポーツ医・科学の観点からのジュニア期におけるスポーツ活動時間に関する研究も踏まえ、次のアからウを基準とする。

ア 原則として、学期中は、週当たり1日以上の休養日を設ける。また長期休業中及び定期考査の前後の一定期間を有効に活用し休養日等にあて、生徒が十分な休養を取れるようにする。

イ 休養日については、各部活動の顧問がそれぞれの部活動の特性、練習計画、試合・発表会等の日程、生徒の疲労等を考慮し、適切に判断し設定する。

ウ 1日の活動時間は、平日では2時間程度、学校の休業日は3時間程度(ウォーミングアップ等の準備や活動場所の整備、片付け等の時間は除く)とし、できるだけ短時間に、合理的でかつ効率的・効果的な活動を行う。

 文化部活動における休養日及び活動時間についても、成長期にある生徒が、教育課程内の活動、学校部活動、学校外の活動、その他の食事、休養及び睡眠等の生活時間のバランスのとれた生活を送ることができるよう、運動部活動と同様とする。

5 地域や保護者等との連携について

⑴ 校長は、地域のスポーツ・文化芸術団体との連携や民間事業者の活用等により、保護者の理解と協力を得て、学校と地域が協働・融合した形での地域におけるスポーツ・文化芸術の環境整備を進める。

⑵ 校長は、地域の実情に応じ、学校種を越え、高等学校、大学及び特別支援学校等との合同練習を実施するなどにより連携を深め、生徒同士の切磋琢磨や多様な交流の機会を設ける。

⑶ 校長は、学校部活動だけでなく、地域で実施されているスポーツ・文化芸術活動の内容等も生徒や保護者に周知するなど、生徒が興味関心に応じて自分にふさわしい活動を選べるようにする。

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